契約のとき、私たちが選んだのは50年ローンでした。
モデルルームの記事にも書いた、あの「魔の50年ローン」です。
「50年」と口に出すと、だいたい相手は一瞬黙ります。
親に伝えたときも、少し間がありました(今も大賛成はしておらず「頑張れ…」と一言いただきました)。
でも、選んだのには理由があります。
今日はその数字を、ごまかさずに並べてみます。
前提(うちの場合)
- 借入額:仮に4,500万円として試算(実際に近い概算です)
- 金利:変動0.6%と仮定
- 借り方:夫婦のペアローン
以下はあくまで「うちの場合の試算」です。
検討中の方は、必ず金融機関のシミュレーションで確認してください。
35年と50年、何が違うのか
| 35年 | 50年 | |
|---|---|---|
| 毎月の返済 | 約11.9万円 | 約8.7万円 |
| 利息の総額 | 約490万円 | 約710万円 |
| 完済時の年齢 | 60代半ば | ほぼ80歳 |
毎月の差は、約3.2万円。
これが50年ローンの「軽さ」です。
そのかわり、利息はトータルで220万円ほど多く払う。
そして完済予定日を見ると、私たちはほぼ80歳になっています。
「月3.2万円の軽さを、80歳の自分に払ってもらう」
50年ローンとは、そういう契約だと理解しています。
金利が上がったら、という試算
変動金利なので、上がる可能性は常にあります。
同じ借入額のまま、金利だけ変えてみました。
| 金利 | 毎月の返済 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 0.6%(今の想定) | 約8.7万円 | 約5,200万円 |
| 1.6%(+1%) | 約10.9万円 | 約6,500万円 |
| 2.6%(+2%) | 約13.4万円 | 約8,000万円 |
金利が2%上がると、総返済額は約2,800万円増える。
そうなったら、借りた額の8割ちかくを利息として払う計算です。
書いていて、少し手が冷たくなりました。
でも、この数字を「見ないで借りる」のと「見てから借りる」のは、まったく違うと思っています。
ペアローンの、もうひとつの前提
ペアローンは「ふたりとも働き続ける」ことが前提の借り方です。
どちらかが働けなくなったら。
子どもができて、働き方が変わったら。
その「もしも」に備えて、うちで決めているルールは2つだけ。
生活費の半年分には手をつけないこと。
繰り上げ返済にまわせる余力を残しておくこと。
正直、備えとして十分かはわかりません。
ただ「前提が崩れる可能性がある」と知って借りるだけでも、心構えは変わる気がします。
それでも50年にした理由
50年を選んだ本音は、「50年かけて返すつもりはないから」です。
そもそも、80歳までこの家に住み続けるつもりもありません。
子どもの独立、住み替え、売却——50年の完済日より先に、暮らし方自体が変わっている可能性の方が高いと思っています。
「80歳で完済」はあくまで契約上の最終ラインで、うちの実際の計画とは別ものです。
正直に言うと、築20年以内に売却する未来も選択肢として考えています。
そのタイミングでのローン残債や資産価値がどうなっているかは、また別の記事でちゃんと試算したいところです。
毎月の返済を軽くしておいて、浮いた分は貯蓄と繰り上げ返済の余力にする。
苦しい時期は最低ラインまで下げられて、余裕のある時期は前倒しできる。
私たちが買ったのは、この「調整できる幅」だと思っています。
もう一つ、正直に書いておくと、少し投資的な計算も入っています。
低金利のうちに借りられるだけ借りて、浮いた月々の差額を運用にまわせば、
金利以上のリターンが出る可能性もゼロではない、という考え方です。
これは「絶対に勝てる」と思ってやっているわけではありません。
相場が落ち込む年もあれば、思ったように増えない年もある。
それでも、現金のまま置いておくより可能性がある方に賭けてみた、というくらいの温度感です。
計画どおりにいくかは、わかりません。
80歳の自分に「ごめん」と謝る未来も、正直ありえます。
それでも、数字から目をそらさずに選んだことだけは、ここに残しておきます。
同じように50年ローンを迷っている方の、判断材料のひとつになれば嬉しいです。